11月26日・迎賓館

池田大作、江主席に押しかけ会見

相手の権威を最大限利用
媚びる大手マスコミの偏向姿勢も露呈


学会組織をあげて会談を礼賛 始終相手をほめるだけの池田
学会に冷や水浴びせた中国側 功績讃え竹入氏を招いて懇談
竹入氏の姿を割愛した「毎日」 竹入・江会談を報じなかった「読売」

公益法人失格発言・名誉毀損発言

学会組織をあげて会談を礼賛 始終相手をほめるだけの池田


 十一月二十五日から三十日まで、国賓として日本を公式訪問した中国の江沢民国家主席が、十一月二十七日、東京・元赤坂の迎賓館で創価学会の池田大作名誉会長と会見した。
 二十八日、創価学会の機関紙『聖教新聞』は、「池田名誉会長 江沢民主席と文化の語らい」「21世紀へ『心の通う』日中友好を」との見出しで会見の模様を大々的に報道。また、十一月七日、再び元のサヤに収まった公明党も、機関紙『公明新聞』の一面で「池田創価学会名誉会長・江沢民中国主席と会談」と大きく報道するなど、創価学会は、その組織をあげて江・池田会談を礼賛している。
 では、午前十一時から約二十分間行なわれた会見ではそのような話がかわされたのか。会見の内容を報じる『聖教新聞』によれば、池田氏は、以下のように、終始、江主席並びに中国を讃(たた)える発言を繰り広げた。
 「きょうは快晴。主席のお心のように晴天です。大切な訪日を天も祝福しています。二十一世紀へ、今こそ、『心の通う』日中関係を作るべきです。その意味で、私は、主席の『詩人の心』を、多くの日本人に紹介したい。」(『聖教新聞』H10・11・28付)
 「今、貴国も、長い艱難辛苦(かんなんしんく)を乗り越えて、勝利の春≠迎えられた。心から、お祝い申し上げます。さまざまな意味で、貴国から『学ぶ』時代に入りました。」(同)
 「(江主席がかつて作った詩を引用した後)立派な詩です。政治家には『詩心』が大切です。」(同)
 「文化、宗教のわかる指導者です。主席は、実務上の経験も豊富であり、世界にとって、どれほどの大切な存在か。」        (同)
 「また主席は、師匠思いで有名です。アメリカでの美談も、うかがっています。」(同)
 これに対し江主席は、
 「池田先生は、仏教の面で大変に造詣(ぞうけい)の深い方です」(同)
と応じたものの、それ以上、池田氏を礼賛することはなく、
 「私は無神論者ですが、仏教の本も読んでいます」(同)
 「宗教にも深い関心をもっています。仏教、イスラム教、キリスト教、カトリック、ユダヤ教、それらを多少ですが勉強しています」(同)
などと、自らの宗教に対する姿勢、信条などを語るにとどまっている。
 池田氏の海外の要人との会見や中国訪問にも同行した経験をもつ、元側近幹部がこう語る。
 「池田さんの世界の政治的指導者や文化人、学者との対話を、学会では、哲学的語らいとか、崇高(すうこう)なる魂のふれあい、平和対話、文化対話などと形容、礼賛するが、その中味は相手を誉めるだけの無内容な代物(しろもの)に過ぎない。今回の江主席との対話でも、『聖教新聞』を子細に読めば、ただ相手を誉めているだけであることがすぐ分かる。池田さんは、一月のSGIの日には、毎年、平和提言なるものを行ない、核兵器の全廃や戦略兵器の製造、保持に反対する姿勢を明らかにしているのだから、こうした会見の時にこそ、核実験全面禁止条約や対人地雷禁止条約の批准(ひじゅん)に消極的な中国の姿勢を批判し、核兵器や戦略兵器の廃絶に向けての言論を展開すべき。だが、何もしはしない。ただ、国家主席という権威を自らの保身のために利用するだけ。全く意味の無い会見としかいいようがない。」
 ところが創価学会は、まったく内容のない江・池田会談をあたかも世紀の対談であるかのように大宣伝。
 江・池田会談を前にした十一月二十六日付『聖教新聞』では、二十五日夜に東京・千駄ヶ谷の創価国際友好会館で行なわれた、池田氏の中国南開大学名誉教授ならびに同大学の周恩来研究センター名誉所長の就任式と、広島市内の創価学会施設で行なわれた、池田氏の日中国交正常化提言三十年記念展の模様を大きく報道。広島での記念展に出席した駐福岡中国総領事館の陸総領事の
 「中国には、『井戸の水を飲む時、掘った人のことを忘れるな』という言葉があります。中日の平和友好条約から二十年がたち、両国の関係は非常に発展しました。池田先生の提言が、大きな影響を及ぼしていると思います」
との発言を紹介し、池田氏こそ日中友好の立役者だと、大々的にアピールしている。

学会に冷や水浴びせた中国側 功績讃え竹入氏を招いて懇談

だが、こうした創価学会の思惑(おもわく)とは裏腹に、中国側は、今回の江主席の訪日に際し、創価学会に対し冷や水を浴びせかける行為に出た。
 創価学会が、現在、「忘恩の徒」「裏切り者」「背信者」「大ウソ付きのペテン師」などと口を極めて罵(ののし)っている竹入義勝元公明党委員長を、小坂善太郎元外務大臣、二階堂進元官房長官らとともに、日中国交正常化に寄与した人物として迎賓館に招き、江主席との懇談の席を設けたのである。
 池田氏との懇談に先だって行なわれた竹入氏らとの懇談の席上、江主席は、
 「周恩来首相は生前、水を飲む時に井戸を掘った人を忘れてはいけない、と言った」
などと発言、日中国交正常化や日中平和条約の締結に寄与した、竹入氏らの業績に感謝の意を表した。
 この席で竹入氏は、江主席に対し中国の経済状況について質問。これに対し江主席は「人民元の安定に努めている。内需拡大によってこの困難を解決できると信じている」と答えている。
 創価学会ならびに公明は、竹入氏が『朝日新聞』紙上に連載した政界回顧録の中で、日中国交正常化の過程で果たした自らの役割に言及するや、『聖教新聞』紙上に中日友好協会の副会長や深■大学の前学長などを登場させ、日中国交正常化は池田氏の功績だと発言させる連続特集を掲載。
 その一方で、『公明新聞』に連載した「竹入義勝の謀略と欺瞞(ぎまん)」の中で、渡部一郎、黒柳明、大久保直彦、二宮文造の各元副委員長に、
 「恐るべき『日中』私物化」
 「大物≠ヤるため周総理夫妻すら利用」
 「周総理発言をねつ造=v
 「一族であきれた中国放蕩(ほうとう)旅行」
などの見出しで、竹入氏の日中国交正常化で果たした役割を否定するキャンペーンを繰り広げた。
 だが、江主席は竹入氏を迎賓館に招き、周恩来首相の言を引いて、その功績を讃えた。
 しかも中国大使館によれば、竹入氏と江主席の会談は、中国側の招待によるものだが、池田氏と江主席との会見は、創価学会の強い申し入れによって実現したものだという。要するに、竹入氏は呼ばれたのだが、池田氏は押し掛けたのである。この事実は、中国政府が竹入氏に「あなたは日中国交正常化に寄与しました」とのお墨付きを与えたに等しい。
 「日中国交正常化は俺の功績であり、竹入は俺の使い走り、と考えている池田さんは、竹入さんの功績を認めることがイヤで仕方なかった。だから、徹底して竹入さんの日中国交正常化についての功績を否定する挙に出たんだが、本家本元の江主席が竹入さんの功績を評価したことの意味は大きい。池田さんも江主席と会見したにはしたが、竹入さんが会ったことで池田氏の面目は丸潰(つぶ)れとなった。」(先述の元池田側近幹部)

竹入氏の姿を割愛した「毎日」 竹入・江会談を報じなかった「読売」
ところで、『聖教新聞』ならびに『公明新聞』が、江主席と竹入氏の懇談の事実を報じなかったのは当然のことだが、一般紙でも、この懇談をめぐる記事の扱いには大きな差が見られた。
 今夏、竹入氏の政界回顧録を掲載した『朝日新聞』は、「江主席、竹入氏らと懇談」との見出しのもと、竹入氏が、小坂元外相、二階堂元官房長官らと、江主席と懇談している写真を掲載して詳報。
 これに対し『毎日新聞』は、江主席が日中国交正常化や日中平和友好条約の締結に貢献した元政治家と懇談したとのキャプションのもと、江主席と懇談する元政治家の写真を掲載したが、なぜか竹入氏の姿は割愛され、代わりに江主席の通訳を入れるという不自然な構図となっている。もちろん記事中でも竹入氏には一言も言及していない。その一方で、池田氏が江主席と会見した事実は報じている。
 同様に『読売新聞』も、池田氏が江主席と会見したとの事実は報じたが、江主席と竹入氏が懇談した事実については、写真も記事も掲載しなかった。
 「朝日、毎日、読売の創価学会に対するスタンスが窺えて興味深い。朝日は、竹入さんの政界回顧録を掲載した手前もあり、一連の創価学会・公明による激しい竹入バッシング、朝日批判を、快(こころよ)くは思っていない。だから、『江主席、竹入氏らと懇談』との見出しまでつけて報じたのだろう。意地を見せた、という感じだ。だが、毎日と読売の報道姿勢はいただけない。とくに、毎日は、写真から竹入氏を削り、代わりに通訳の姿を入れている。常識では考えられないあざとい報道姿勢だ。読売は、江主席が竹入氏らと懇談した事実そのものを報じない形で、これに触れず、学会に媚(こ)びている。まあ、毎日は『聖教新聞』『公明新聞』を印刷することで経営が成り立っている、と言っても過言ではない会社。読売も、最近は池田氏の著作を出版するとともに、『聖教新聞』の一部の印刷を請け負っているから、顔色を窺(うかが)っているんだろうが、情けないかぎり。」(学会問題に詳しいジャーナリスト)
 池田氏と江主席との会見を大々的に報じる創価学会機関紙。そして、池田・江会見は報じるが、竹入氏と江主席の懇談を報じようとしない大手マスコミ。
 戦後の政界、宗教界をはじめ、日本社会を揺るがし続ける創価学会問題の一断面が、今回の江主席訪日にまつわるさまざまな動きの中にも、見え隠れしている。


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