自由の砦 5月10日号 第100号


自民党総裁選で見えた

国民の意思


自公連立の現状から将来を占う

 学会・公明党の予想裏切る小泉政権
       連立維持するも参院選次第で解消か

 自民党は橋本%煌t待望したが
        国民は数の論理≠謔闕新求める

  自民党総裁選挙は、事前の橋本楽勝≠ニいう下馬評がはずれ、小泉純一郎氏の圧勝という、大番狂わせとなった。この選挙の経過を振り返ると、現在の政治が抱えている問題点が、はっきりと浮き上がってくる。
 第一に、小渕・森内閣と続いてきた橋本派支配∞自・公連立≠ニいう政権構造が、国民から完全にソッポを向かれていることが、はっきりと示されたことである。
 一般国民を犠牲にして特定の人達の利益を計り続けるため、手段を選ばず多数を維持し、政権を牛耳ることだけを考えてきた橋本派℃x配は、創始者の田中角栄氏以来、今日まで、永田町の中心にありつづけた。
 その結果、政界に染み込んだ、いわゆる永田町の論理≠ニよばれる、政治家達の手前ミソな考え方は、国民の考え方、望むところから、すっかり遊離してしまっていたのだ。
 そのことが、国民の政治離れ、自民党支持者の激減につながり、そして、ついに無党派層のイニシアチブという結果を生みだしたのである。
 自民党の実力者達は、これに気付かず、
 「森首相さえ取り替えれば、国民の不満は解消でき、参院選は戦える」 とたかをくくっていた。
 そして、元首相の橋本龍太郎氏を再び担ぎ出して、形ばかりの党員選挙≠行ない、森首相を選出したときの密室の謀議≠フ批判を消した上で、長期支配体制を固めようとしたのである。
 各都道府県に割り当てられた三票ずつの党員票≠焉Aもっぱら地方や党員の不満のガス抜き≠するためのもので、しかも、それは橋本派が握る業界・団体票の締め付けで、相当数は橋本氏が確保できるという、したたかな計算の上で行なわれたことであった。
 「仮に、党員の予備選挙で、橋本氏が多少劣勢になっても、国会議員の投票で、堀内・江藤・亀井派の票を集めて圧勝する」そのように、首脳達は考えていたのである。
 しかし、案に相違して、党員の予備選挙で、小泉氏が地滑り的な勝利を収めてしまった。百四十票のうち百二十票を獲得するという、この完全勝利≠見て、党員の支援で議席を保っている議員達が、この党員の明確な意思表示に逆らって行動することは無理なのではないか、という思いを、各々の胸中に生じさせた。
 その結果、江藤・亀井派が態度を変え、小泉氏支持に回ったことで、勝負がついた。
 選挙上手、常勝軍団で知られる橋本派は、思いがけぬ大敗北を喫(きっ)し、不敗神話≠ヘもろくも破れたのである。
 今回の総裁選挙は、永田町の論理を、初めて国民世論がうち破った、という点において、その意義は大きい。

 国民支持率高くも党内では少数派
        旧来勢力残した組閣で課題は今後に

 小泉氏は総裁就任後、党役員を決め、公明・保守両党と政策協議を行ない、国会で首相の指令を受けて組閣を行なった。
 昨年秋の加藤氏の乱≠ナ、執行部に造反した山崎拓氏を党のかなめの幹事長に据えた上、閣僚人事も、橋本派支配 を完全に排除して、いちおう、選挙中の公約を守り、実行したのである。
 この、派閥をまったく無視したプロセスは、国民の喝采を浴びたが、党内の実力者に怨念を残した。
 橋本派を中心とする旧体制派は、総裁選直後から実力者による七人組≠作り小泉降ろし≠フ策を練り始めている。
 一方、小泉氏は、党内では少数派であるため、その改革≠推し進めるためには、党内の旧勢力をまったく無視するわけにもいかない。
 そのために、党役員人事において、橋本派の別働隊ともいうべき堀内光雄氏を総務会長に据え、さらに、「自分と小泉氏とは、経済政策においてもっともかけ離れる」といってはばからなかった麻生太郎氏を政調会長に据えた。
 また、森内閣の閣僚を七人も残留させたことで森派偏重内閣≠ニいう謗りを受けないよう、副大臣には橋本派・堀内派を大量起用せざるを得なかった。
 このように、小泉内閣はけっして安定しているわけではないので、今後の政局の変化が注目されるといえよう。

 離脱§コめかしブラフ(揺さぶり)かけた公明党
             小泉総裁決定後は無節操に擦り寄る

 さて、この自民党総裁選において、最も醜態(しゅうたい)をさらしたのは、創価学会・公明党だった。
 公明党は当初、自分たちも参加して密室の謀議≠ナ選んだ森首相なのに、自・公政権の不人気の責を森氏に一切かぶせて辞任させ、その後がまとして、何でも公明の言いなりになる*中氏を据えようと、いろいろと画策した。
 しかし、野中氏を担ぐことは、自民党にとっても自殺行為であり、とうてい無理なことだとわかると、それではと、橋本支持にまわった。
 選挙中、公明党首脳は、
 「小泉氏が総裁になったら、連立も考え直す」
 「誰が総裁になっても、公明党が黙ってついていく、と考えたら間違いだ」 などと発言し、露骨な橋本支持を行ない、小泉首相阻止に血道を上げた。
 小泉氏の支持勢力の中に、加藤絋一元幹事長や山崎拓氏、田中真紀子氏、平沢勝栄氏ら、創価学会・公明党に批判的であり、自・公連立に反対している議員達が加わっており、小泉氏自身も選挙中、
 「必ずしも、公明・保守との連立枠にこだわらない。政策を掲げて協力できる範囲なら、どこと組んでもよい」 と言ったため、創価学会・公明党首脳は、にわかに警戒心を強めたのである。
 かくて、政権にしがみつくため、露骨に他党の総裁選挙に干渉したのだが、それにもかかわらず、創価学会・公明党にとっては最悪の、小泉首相が実現してしまった。
 小泉氏は、さらに、
 「憲法九条は改正する」 と明言し、公明党が、橋本派とタッグで反対してきた郵政民営化≠ノついても、必ず実現させると公約した。
 公明党がなぜか、目の色を変えて推進しようとしている、外国人参政権の問題についても、小泉氏は反対してきた。
 さらに、公明党との連立に批判的な山崎拓氏を幹事長に据えたから、創価学会・公明党は、顔色を失った。
 口先ではいろいろ言っても、公明党が連立政権から離れたら、創価学会・公明党は立ち往生する。
 先に日蓮正宗から破門され、衆院選のたびに議席を減らし続けている現状において、この上、連立与党≠フうまみを失うことは、破滅になりかねない。
 そこで、連立維持≠フため、選挙後、公明党は豹変(ひょうへん)して小泉氏にすり寄った。
 一方、小泉氏としても、自民党が衆参両院で単独過半数を割り込んでおり、さらに、党内でも少数派であるから、いきなり連立解消≠ニいうわけにはいかない。
 三党党首会談で、いちおう形だけの政策協議をまとめて、当面、連立は継続されることになった。
 しかし、小泉氏の持論である憲法第九条改正∞郵政民営化≠ノついては触れず、また、公明党の外国人選挙権授与≠フ主張についても、正式の協議事項からはずされてしまった。
 双方、一番重要な対立点をすべてタナ上げにしたままの、具体的な内容のない協議で、とにかく、連立の枠(わく)を守ることを優先したのである。
 これは、七月の参院選を控えた、両党の選挙協力が進んでおり、今の段階で、これをぶち壊すわけにはいかないという事情がある。
 しかし、山崎拓幹事長は、
 「自・公・保の連立も参院選までのこと。参院選の結果によっては、政界再編が起こる」 と発言している。

 国民の意思表示で政治が変わる!
        池田の天下盗り妄想≠ノ止どめを

 参院選で自・公§A立が過半数を割るか、あるいは自民党が小泉ブームによって大勝するようだと、参院選後、自・公¢フ制は崩壊し、あるいは、ただちに解散総選挙も考えられる。創価学会・公明党にとっては、はなはだ面白くない展開となってしまった。
 小泉氏の勝利の裏には、自民党員が、小渕内閣以来続けてきた、創価学会・公明党との野合に批判的であり、その元凶である橋本派に愛想をつかせている、ということも大きい。
 こうした小泉内閣の背景を危険視し、腹の中で小泉首相を嫌い警戒している創価学会・公明党は、橋本派首脳との共闘で小泉政権を打倒しようと、陰謀をこらしているといわれる。
 早晩、小泉氏が推進すると見られる憲法九条改正∞郵政民営化≠ヘ、創価学会・公明党にとって絶対に受け入れられない事柄である。
 これに目をつむったまま連立を続けていくことは、創価学会・公明党にとって自殺行為に他ならない。
 すでに、創価学会側から公明党に、「小泉政権の右傾化」に警戒するよう、クギがさされている。
 また、小泉首相としても、従来の公明ベッタリ∞創価学会の云いなり≠続けていったら、一時集まった人気もたちまち霧散(むさん)し、国民からの信用は地に落ちることになる。
 したがって小泉首相は、公約を実現するためには、近い将来、創価学会・公明党との関係を清算しなくてはならない。
 少なくとも、そのことを掲げて参院選に臨み、できるなら衆議院を同時解散して国民の信を問う、くらいのことをしなければ、党内の守旧派の妨害を排除して、自らの信念を貫くことはできないのではないか。
 創価学会・公明党や橋本派の顔色を見ながらの政治では、抜本的な改革≠ネどできるわけがないし、頼みの綱の国民の支持を失い、短命内閣に終わってしまうだろう。
 現在の政治の混乱と経済不安は、橋本派と創価学会・公明党が手を組んで、政権を私物化しつづけてきたことが最大の原因であり、そのことは、すでに国民の多くが知っている。
 その点を改めないかぎり、長野、栃木、千葉、秋田と続いた、知事選で政党候補が破れ無党派層≠ェ勝利するような現象がさらに続き、自民党はその中に埋没(まいぼつ)し、消滅してしまうだろう。
 それは、すべて創価学会・公明党という毒≠飲んだことが原因なのだ。
 一方、今回の自民党の人気回復の陰で、公明党は支持率を低下させている。
 「たった一割の組織票が、九割の意向を無視して、全体を支配する」という非民主主義的な現象が、音をたてて崩れつつあるといえよう。
 創価学会の組織票に頼る選挙が、国民のはっきりした意思表示の前に破れ、沈没していく時代へと、この国の政治は大きく変わりつつあるのだ。
 池田大作の天下盗りの妄想≠ノ止どめを刺す日も、そんなに遠くないことをはっきり示した、自民党総裁選であった。
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