怪死-東村山女性市議転落死事件

 95年9月、朝木明代市議は東京・東村山駅前ビルから転落、死亡した。反公明・創価学会の人気市議がなぜ!? 東村山署は早々に”自殺”と断定、しかし遺族は”他殺”と主張する。その背後に何が?この”不可解な死”を克明に再現・検証する渾身のルポ!

乙骨正生 著

定価1545円 

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まえがき

  朝木明代東村山市議が、東村山駅東口駅前にある「ロックケープ」ビルから転落して死亡して、 すでに半年余の時間が流れた。 事件直後から、テレビ、新聞、雑誌など各種のマスコミが朝木さんの死を取り上げ、不可解な 死の真相をめぐって、さまざまな観点と角度から多彩な報道を行っている。

 その多くは、当初から自殺説に固執する東村山署の捜査に対する疑問点を列挙し、他殺の可能 性を示唆するとともに徹底した真相究明を求める内容となっている。特に、出版社系の週刊誌お よぴ月刊誌の大半は、朝木さんが、宗教法人創価学会と厳しい対立関孫にあったことから、朝木 さんの死になんらかの関孫があるのではないかとの疑問を提示していた。私もそうした立場から、 月刊誌の記事を執筆し、また、週刊誌や夕刊紙にコメントを出している。

  これに対し、事件とのかかわりを取りざたされた創価学会は、自殺説に立つ東村山署の主張を 根拠に、「朝木市議は自殺」とのキャンペーンを機関紙誌で展開。創価学会の事件への関与を強 調した遣族のコメントを掲載した『週刊現代』を、遺族とともに名誉棄損で刑事告発。あわせて 一億円の損害賠償を請求するなどしている。

 昨年12月20日、事件を捜査する警視庁・東村山署は、朝木さんの死には「事件性がな い」すなわち「自殺」であるとの捜査結果を発表した。 だが、捜査結果は、他殺を主張する遺族や関係者、そして自殺と断定するには多くの疑問点が あることを指摘するマスコミを納得させるものとはなっていない。

  その意味で、事件の真相は、いまだに薮の中であり、朝木さんの死は、"怪死"なのである。 昨年、宗教法人を隠れ蓑にして、常軌を逸した犯罪行為をくり返してきたオウム真理教の実態 が明らかとなった。

 地下鉄サリン事件をはじめとする、凄惨なオウム真理教による犯罪の端緒と なったのは、オウム真理教を追及していた坂本堤弁護士一家失踪事件だった。同事件は、当初か らオウム真埋教による犯行との見方がなされていたが、その事件の解明には、実に、六年もの歳 月がかかった。 朝木さんの"怪死"には、この坂本弁護士一家殺害事件と類似した点がいくつも指摘できる。

 だからといって、私は、特定の宗教団体が朝木さんを殺害したなどと断定するつもりは毛頭ない。 ただ一つ願うのは、一日も早い事件の真相と全容の解明である。 その立場から、本書は、事件の経過と背景をできるだけ細かく書き込んだつもりである。

 客観 的に事実を積み上けることで、事件の背景にある何かが見えてくるかもしれないというのが、本 書執筆のスタンスである。

 現代日本では、日常的に多くの事件死が生じており、一人の人間の事件による死およぴその死 が持つ意味について、私たちはかなり鈍感になっている。しかし、一人の人間の死には、例えぱ、 いじめによる自殺の背景に、教育現場の荒廃をはじめとする現代日本の多くの問題が凝縮、投影 されているように、大きな意味が込められている。

 一人の人間の死を沈思黙考するとき、そうし た現代日本の持っているさまざまな問題点や矛盾が見えてくることが多い。 坂本弁護士一家の死が、世紀末の宗教の狂気と、宗教と社会、宗教と法律のあり方を再考させ たように、朝木さんの死にも、あるいは、現代日本が抱える何らかの問題、例えば、朝木さんが 追及していた宗教と政治の諸問題をはじめ、地方政治における利権構造など、さまざまな問題が 投影されているように思えてならない。

                                      1996年4月

 

 

怪死 東村山女性市議転落死事件

◆目次 まえがき

T章◆怪死のミステリー

不可解な死 霊安室 トップ当選の人気市議が・・・

「朝木さんが殺されました」事件発生の経過

遺族は解剖を要求

事件を検証する

遺体と対面できず 「自殺説」ヘの疑問

東村山署に取材「事件牲なし」の理由

手すりと靴 鍵

捜査への疑問

 食い違う供述・医師の見解

なぜ救急車は現場に20分も停車していたのか

 事件発生当日 つけっばなしのワープロ 「生命の危険に瀕したような」声

目撃者がいない

U章◆疑惑への道のり

「当選返上」問題

「ムラ議会」改革のために

 賛否両論 「草の根」批判キャンペーン

 「草の根」の政治生命を封じようとする人々

万引き疑惑

干九百円のTシャツ 名誉毀損で告訴

アリバイを証明するもの 匿名の怪文書ファックス

「朝木が謝れぱ送検しなかった」  背後に組織の影

"替え王" 流言飛語

不自然な供述 "急いで"送検

「お礼はワイロ、受け取りません」「真相究明の為、徹底的に闘います」

「草の根」に対する攻撃の数々

襲撃 威嚇・待ち伏せ

脅追「いつ殺されるかわからない」

V章◆対立の構図

朝木明代市議が学会問題に取り組んだ契機と背景

女性蔑視の暴言 脱会希望者に寄り添う

「解散勧告書」と「破門通告書」 宗教法人資格喪失「通告書」

日蓮正宗と創価学会の関係略史

信徒団体としての創価教育学会 宗教法人取得をめぐる対立

第二次宗門紛争と宗門・脱会者攻撃 攻撃行動マニュアル

福岡・開信寺集団暴力事件 脱会者へのいやがらせの実態

「創価学会脱会者3300人大調査」 人権侵害を許さなかった朝木市議

W章◆たたかいの軌跡

東村山市議会での朝木貿問

野次と怒号の東村山市議会三月定例会 白抜き議事録は語る

「休憩いたします」  東村山市議会6月定例会

議会運営を左右する公明   「天下取リ」

東村山文化会館固定資産税免除問題 税務調査と専用施設

非課税の特権を享受

『週刊新潮』記事をめぐる軋轢

私物化された市行政 三色ステッカー問題

清掃事業委託料引き上げ要求質問 金権スキャンダル体質

監視・尾行・買い占め 公明党市議、『週刊新潮』批判

70年政府見解にしがみつく

批判の矢を放つ

『東村山市民新聞』での創価学会批判 創価高校退学強要事件

「池田洗脳教育」東京都学事部へ申し入れ


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