巨大な利益を生む学会の墓園        自由の砦 平成9年9月10日号より


  金をバラ撒(ま)いて住民たちの頬(ほほ)を撫ぜ、目つぶしをくらわせ反目を煽(あお)る。地域共同体を動揺させ、撹乱し、疲弊させ、そのスキに広大な土地を手に入れて巨額利益をむさぼる。

 これは、創価学会の池田大作氏が、一九七〇年代の後半から延々と、執拗に、全国各地の巨大墓園づくりを通して見せつけてきた手法である。

 そのとき池田氏は必ずダミーを使う。彼らダミーは、地元の内情に詳しい不動産会社とか、金でコロリと転んでしまった地域の有力者などだが、これらの背後には、三菱商事もしくは三井建設もしくは大林組といった大企業が控えている。

 そのようなやり口にますます磨きをかけつつ、池田大作氏が今日までに造った墓園は、八カ所・約三十二万墓。すさまじい量だ。

 他方――いったん「とても宗教関係者のやることとは思えないあくどい金のバラ撒き・吸収作戦」を始めたものの、住民たちの激しい反対によって挫折した事例もある。こちらは六カ所を数える。

 その六カ所の事例は、かけがえのない郷土を守るために、かけがえのない環境を守るために、また自分たちの明日の発展のために、住民たちがしっかりと立ち、しっかりと目を開けてさえいれば、池田大作ビジネス=「とても宗教関係者のやることとは思えないあくどい金のバラ撒き・吸収ビジネス」に、きっぱりと対抗できることを教えてくれている。

 いずれにせよ、巨大墓園は地元に何の利益ももたらさない。墓園は宗教施設ゆえ非課税だ。つまり、市町村の収入にまったく貢献しない。

 代わりにというべきか、みごとに環境を破壊してしまう。小動物や鳥や虫を駆逐する。墓だらけのため保水能力が亡くなり、鉄砲水を発生させ、墓園の下のほうの河川を壊し氾濫させ、住民たちの生活をおびやかしたこともある。

 市町村は、彼らのために上下水道を整備し、おまけに彼らのゴミを永久に処理し続けなければならない。

 また、彼らは、創価学会員でないかぎり、地元の人を採用しない。墓園内の食堂や売店の経営は、たいてい創価学会系資本。造園とかメンテナンス関係も、資材や消耗品などの調達先も同じく創価学会系資本。とにかく、すべてを「身内」でまかなってしまう。

 では、墓参りにくる者(学会員たち)は?

 彼らは、ほとんど自家用車か他県のバスを使い、食事も買い物もたいてい墓園内の店で済ませ、地元の商店に立ち寄るようなことはめったにない。近辺の観光地・休養地などに出向く者は、まさに微々たる数だ。

 それだけならまだしも、激しい交通渋滞を引き起こし、地元住民に交通事故の不安を与え、その顔に大量の排ガスを吹きつけて、去っていく。

 さて、このような「華麗なる池田大作センセイの巨大墓園プロジェクト」が、今、九州の大分県日田郡天瀬町大字湯山で着々と進められている(「華麗なる」は、池田氏が自分の言動を一般会員に披露し威張るときの口ぐせ)。

 天瀬は別府市の西方約四十五キロの内陸の町だ。人口は約七千五百人である。標高二百〜六百メートルに山林原野が広がっている(総面積の八十%)。街のほぼ中央を東西に筑後川の上流玖珠川が流れ、JR久大線と国道二一〇号線が走り、それらの沿線に温泉郷天ヶ瀬がある。ちなみに、温泉郷の客数は減少気味。九一年は二十五万人だった。が、最近は年十七万人程度だという。

 この街に、とりわけ湯山区に、深い亀裂が生まれている。張本人は池田創価学会である。

 彼らが目をつけたのは、湯山区の約百五十町歩の山林原野=周辺の五部落・約七十戸の入会地だ。その入会地のうち二十町歩を、あわよくば三十町歩以上をもぎとり、全体で九十町歩を確保して五万墓をズラリと並べる計画。

 池田大作氏は、これまでに、「墓をたくさんもっている者ほど偉い!」と叫び、一般学会員たちの背中をどやしつけては、原価(土地代+建設費+墓石代など)が十数万円のしろものを約百万円で買わせてきたが、天瀬町湯山の五万墓のプロジェクトに即していえば、同じやり口で、まさに濡れ手にアワの約四百億円をむさぼろうとしているのである。

 ところで、気がかりなのは、同墓園の建設資金の出所だ。それは池田大作氏が自力で作ったものではない。池田大作氏がヨソから調達してきたものでもない。池田大作氏は自分のふところをまったく痛めていない。全額、一般会員たちのサイフから出ている。

 要するに、一般会員たちは自分の金で墓をつくり、それを大枚はたいて購入せざるをえない仕組み――彼らは鵜(う)匠に操られる鵜などよりもはるかに哀れな、みじめな、じつに皮肉な状態に突き落とされている。

 「墓地の環境破壊は、原子力廃棄物以上に永遠であることを、考えておくべきである。原子力廃棄物で一万年、産業廃棄物で五〇年は復元にかかる、とされているが、墓地は地球の存続する限り、無限に破壊し続けることになる。なぜなら、墓地は一切宅地の転用が不可能である。そのため山林に戻したり、田畑にしたり、宅地やその他の開発をしようにも、永久に元に戻せないのである。」

 九四年秋に、天瀬の住民の一人が、「創価学会墓地誘致の問題点と今後の対応」と題した一枚のビラを作っていた。これは、そのなかの一節である。もう少し彼の言に耳を傾けておこう。

 「(湯山一帯は)天瀬町の中でも、もっとも将来性のある高原として、観光価値のある場所になることは確実であるが、墓地が立地すれば地価の暴落はもとより、あらゆる観光開発はストップされることになる。来年度に予定している天瀬街並基本構想策定では、建築家の黒川紀章を始め大分大学教授佐藤博士、福岡通産局後藤次長等を招き、大がかりな高塚(高塚地蔵尊のある一区)―湯山―天ヶ瀬温泉を結んだ、マスタープランを作る予定で、作業を町、商工会、観光協会で進めているが、墓地の誘致とは全く相反することとなるため、観光業者を始め高塚、行政、商工会こぞって対立する事態となると思われる。したがって、湯山区の土地であると同時に、天瀬全町民の立場も考慮した開発でなければ、必ず失敗すると考える。」(カッコ内の注は筆者)

 湯山の入会地では九〇年前後からゴルフ場開発の話が進められていたという(調査費を四〜五億円投入)。同プランに関与していたのは三菱商事、鹿島建設、福島不動産、富士ベンリング。が、彼らはバブル破裂で立ち往生し(プラン凍結)、九二年十二月に撤退してしまった。

 それから一年ほどの間を置き、今度は池田創価学会が身を乗り出してきた。

 彼らは九四年八月、同入会地の入会権者たちの作っている湯山区入会地管理運営委員会の役員十人を、群馬県渋川市川島の「はるな平和墓園」へ招待した。視察旅行などの形を取って、至れり尽くせりの歓待で丸め込むのは、学会お得意の手口。それかあらぬか、役員たちは一挙に転んでしまったようなのである(はるな平和墓園=池田氏が三番目につくった巨大墓園。七五年に財団法人を設立し、同法人の手で八七年九月に開設・営業。五十七町歩、二万五千墓)。

 この視察旅行の直後(九四年九月)、天ヶ瀬温泉の旅館の一室で、学会ダミーの浅治建設(本社=福岡市南区)が「墓園説明会」を開催している。しかし、反対者が出た。たとえば前述したビラの作成者たちだが、彼らは環境破壊や観光開発阻害などを訴えた。

 九五年春になると、数人の町議や前町長などもしきりに暗躍し、学会が墓園推進派の有力者たちに相当の金を渡したという噂が流れたりもした。その真偽についてはひとまずおくけれども、とりわけ湯山区一帯は金にまつわる話にすっぽりと包まれてしまった。湯山は「金欲」に汚染されてしまった。

 反対派の一人の作成した文書には次のような動きが記されている。

 「ゴルフ場を撤退する際、測量図面を(湯山)区に渡すように要請して、その後、区が譲り受け保管していたところ、平成八年に無断で学会側に約800万円で売却したが、これも役員による横暴で、反対派の承認は一切取り付けていない。また、その金も墓地の(建設賛成の)同意と引き換えに、賛成者1人に6万円当て支払われたが、4名には同意書と引き換えない限り渡さないとして、入会地盤共有権から発生した物件(図面)を墓地同意の駆け引きの材料に利用した。まさに背任行為であり、横領罪にあたると思います。」(カッコ内注は筆者)

 池田学会にとって、九州に巨大墓園をつくるのは「積年の課題」である。

 これまでも、福岡県筑紫野市萩原で、三菱商事をダミーに約四十町歩・四〜五万墓の建設計画を進めてきた。しかし、九三年四月の住民投票で「反対」となり、挫折。

 また、鹿児島県の牧園町でも土地買収を始めた(九州霧島墓苑)。が、いつの間にか立ち消えになってしまったのだった。

 天瀬町湯山で、池田学会はこんな提案を行なっているという。

 「地元に二億円を寄付し、(入会地関係の)各戸にも、総額二億円を払います。それに、湯山区には毎年二百万円を出しましょう。」

 現在も天瀬(湯山)における賛否の攻防は続いている。反対派住民たちに対してのいやがらせなども発生している。つまり、この街は「池田氏の欲望」によって、すっかりかき回されてしまったわけだが、本体(池田大作氏)はノンシャランとして優雅な夏休みをおとりになっているらしいのである。

 でも、聖教新聞の一面トップは相変わらずセンセイのもの。とくに「八月二十四日」はセンセイ入信の五十周年とか。きっとそのせいなのだ、やたらと外国で名誉称号や賞やメダルなどを買い漁(あさ)りまくったりした……おっと失礼……「授与」された、といった記事が多い。たとえば、こんなふうである(以下、いずれも聖教新聞)。

●八月九日付 池田名誉会長 中国新■芸術学院の「名誉院長」に

●八月十八日付 アメリカ・ダラス市がSGI会長に名誉市民称号を

●八月二十四日付 きょう8・24池田SGI会長の入信50周年 ブラジル・リオデジャネイロ州議会から最高栄誉の「ティラデンテス・メダル」

●八月二十五日付 フィリピン「独立の父」の魂を伝える「ホセ・リサール国際平和賞」 栄光の第一号は池田SGI会長に決定

 そして、つい笑ってしまい、なぜか、すぐに恥ずかしくなり、侮辱されたような感じを抱かされたのは、八月二十六日付である。この見出しは

 「ロシア国立高エネルギー物理学研究所 初の名誉博士号を池田SGI会長に 『私たちはあなたを称えたい 学術に教育に文化に傑出した貢献をしたあなたを』世界物理学者・ログノフ博士から決定通知書」。

 さらに同リードで「博士号は『哲学・物理学博士』の意義を込めたものである」と胸を張る。

 池田センセイは物理のブの字も、哲学のテの字も知らないのではないか?

 また、ロシアの国立の研究機関が資金不足で四苦八苦していることは、周知の事実。研究者がどんどん逃げ出すような有り様。そんなところに、金の詰まったサイフをもった男がニヤニヤしながら近付けば、おまけに、この男の欲しいものといったら文字どおり「屁」にもならない(!)名誉称号だとしたら、ログノフさん、「よろしい、あげますよ」といっても、けっして不思議ではないのではないか?

 そう思いながら同紙面の右下に目を移す。と、池田名誉会長・名誉院長・名誉市民・名誉博士・メダル飾り立て大好き人間による、学会員たちへの次のようなメッセージ(わが友に贈る)が載っていた。

 「あの人たちの人生は 灰色! 私たちの人生は 生死を超えた 永遠の詩」

 これは驚いた。宗教家とは「あの人たちの灰色」を救う、そのことに身を捧げる意志をもった人をさすのではなかったろうか? しかし池田センセイは「灰色」をずいぶんコケになさる。あまつさえ自身をとてつもない高みへもちあげる……。

 この、侮辱することしか知らない人物の金儲けビジネスのせいで、大分県日田郡天瀬町の亀裂は発生した。

 ブローカーまがいの人間が街をうろつくようになってしまった。いやがらせがはびこってしまった。隣人を嘲笑するようにすらなってしまった。訴訟ザタが起きてしまった。

 街はますます混乱し、いっかな終局を迎える気配がない。


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